2017年9月15日金曜日

「100時間の学びを通して」

國學院大學 人間開発学部初等教育学科2年 飛田恵

(2017年8月~9月プログラムに参加)

右:YOKE岡田理事長、中央:筆者、左:留学生の柳さん

「100時間の学びを通して」


 YOKEでのインターンが始まってすぐの頃は「外国籍の子に勉強を教える、接し方を考える」といったことばかりを考えていました。しかし、研修の中でYOKEが行っている多文化共生のイベントや外国籍の子への学習支援教室、小学生向けの国際機関訪問などの幅広い分野のお仕事に関わらせていただけたことで凝り固まった考え方が少しほぐれ、今まで気づかなかったことに気付き、考えることができました。

 1つ目は「多文化共生とは」です。私は研修に参加させていただく前まで、この言葉にほとんど馴染みがありませんでした。そのため心のどこかに「私にはできない」といった諦めの気持ちがありました。ですが、このインターンでの幅広い研修内容や様々な人との出会いがそんな気持ちを変えてくれました。学習支援教室では単に勉強のサポートをするだけではなく外国籍の中学生とサポーターさんとの心の交流が行われていました。それだけではなく、YOKEで一緒に100時間のインターンに参加した柳さんと協力して作業をしたりという経験を通して、「多文化共生を難しく考えすぎていたのではないか」と思うようになりました。確かに国籍や言葉、文化といったバックグラウンドには大きく違うところもあります。ですが、人対人のかかわりをしている以上、やっていることは普段の対人関係と変わりません。相手を受け入れる、知ろうとする姿勢こそが多文化共生の第一歩ではないのでしょうか。「多文化共生=相互理解」と思えばそんなに難しくない、当たり前のことだと理解することができます。こういった当たり前のことから始めることが最終的には言語や文化の違いを乗り越えることにつながるのではないかと思うことができました。
 
 2つ目は「グローバル人材とは何か」です。私は心のどこかでグローバル人材は世界を股にかけて働くこと、英語がスラスラ話せることという思いがありました。しかし、国際機関で活躍される方のお話や、関わらせていたイベントを通して「そうではないんだ」と強く思うことができました。確かにコミュニケーションをとるためにも英語が話せることはとても大切です。しかし、それだけではバックグラウンドの違う人たちとかかわることはできません。英語と同じくらいよりよい人間関係を築けることが大切なのです。「夏休み!地球市民講座」でお話ししてくださったWFPの中井さんは「現地の人とうまくやること、チームとして取り組むことが大切であり、その時の状況に応じてリーダーシップの取り方を変えている」と話されていました。このことからグローバル人材は英語が話せるだけでなく、思いやりや相手を受け入れるといった人間関係を築くうえでの基礎的な部分が当たり前にできる人材であることが分かりました。身近なところや気づかないうちに接している外国人や外国籍の子、繋がる子に対する理解や思いやり、他の人と区別しない態度を身につけることや日本人同士でもお互いを認め合い、よりよい関係を築くことを身につけることこそがグローバル人材育成の第一歩なのではないかと考えました。
 
 2年生の夏にこのような貴重な経験をさせていただけたことにとても感謝しています。今後、夢に向かって様々なことを学び、経験していく中で、ここでの学びを忘れず、考えを深めていこうと思います。

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