2017年10月27日金曜日

「一緒に作っていく国際交流」

横浜国立大学 教育人間科学部人間文化課程3年 柳 周延(ユ ジュヨン)   

※韓国からの留学生です

(2017年8月~9月プログラムに参加)
写真右から YOKE岡田理事長、國學院大學 飛田さん、筆者

「一緒に作っていく国際交流」

 鶴見にある横浜市国際学生会館で、国際交流活動委員としての活動を通じ、私は日本に住んでいる外国人や外国につながる子どもたちへの支援活動に興味を持つようになりました。外国人の生活サポートや日本語教育の企画など、外国人留学生としての経験をもっと発揮できるインターンシップをしたいと思い、YOKEの100時間インターンシップに応募することになりました。

 100時間の研修プログラム内容は、小学校で開催されている外国につながる子どもたちの「母語教室」への訪問、「鶴見国際交流ラウンジでの夏休み宿題教室」での学習支援サポート体験、「夏休み!地球市民講座」の運営などでした。その中でも、私は外国につながる子どもたちへの学習支援活動が最も印象に残りました。この学習支援サポートの経験を通し、日本では想像していたより、多くの多文化の背景を持つ家庭が存在し、外国につながる子どもたちの教育問題が深刻だと実感しました。また、国際交流ラウンジでの学習支援ボランティアの不足をどのように解決すれば良いのだろうかと、解決策を自分でも考えるきっかけになりました。

 100時間のインターンシップの経験で、私は国際交流というのは、決して難しいことではないということが分かりました。自分が住んでいる地域の国際交流ラウンジでボランティア活動することはもちろんのこと、日本で生活している外国人の気持ちに共感してあげることだけでも、国際交流、多文化共生社会を作ることにつながっていくと思いました。このインターンシップを通じ、仕事に対する自己分析ができ、多くの方々との出会いから自分がより成長できたと感じるようになりました。
 YOKEの皆さん本当にありがとうございました!

2017年9月15日金曜日

「100時間の学びを通して」

國學院大學 人間開発学部初等教育学科2年 飛田恵

(2017年8月~9月プログラムに参加)

右:YOKE岡田理事長、中央:筆者、左:留学生の柳さん

「100時間の学びを通して」


 YOKEでのインターンが始まってすぐの頃は「外国籍の子に勉強を教える、接し方を考える」といったことばかりを考えていました。しかし、研修の中でYOKEが行っている多文化共生のイベントや外国籍の子への学習支援教室、小学生向けの国際機関訪問などの幅広い分野のお仕事に関わらせていただけたことで凝り固まった考え方が少しほぐれ、今まで気づかなかったことに気付き、考えることができました。

 1つ目は「多文化共生とは」です。私は研修に参加させていただく前まで、この言葉にほとんど馴染みがありませんでした。そのため心のどこかに「私にはできない」といった諦めの気持ちがありました。ですが、このインターンでの幅広い研修内容や様々な人との出会いがそんな気持ちを変えてくれました。学習支援教室では単に勉強のサポートをするだけではなく外国籍の中学生とサポーターさんとの心の交流が行われていました。それだけではなく、YOKEで一緒に100時間のインターンに参加した柳さんと協力して作業をしたりという経験を通して、「多文化共生を難しく考えすぎていたのではないか」と思うようになりました。確かに国籍や言葉、文化といったバックグラウンドには大きく違うところもあります。ですが、人対人のかかわりをしている以上、やっていることは普段の対人関係と変わりません。相手を受け入れる、知ろうとする姿勢こそが多文化共生の第一歩ではないのでしょうか。「多文化共生=相互理解」と思えばそんなに難しくない、当たり前のことだと理解することができます。こういった当たり前のことから始めることが最終的には言語や文化の違いを乗り越えることにつながるのではないかと思うことができました。
 
 2つ目は「グローバル人材とは何か」です。私は心のどこかでグローバル人材は世界を股にかけて働くこと、英語がスラスラ話せることという思いがありました。しかし、国際機関で活躍される方のお話や、関わらせていたイベントを通して「そうではないんだ」と強く思うことができました。確かにコミュニケーションをとるためにも英語が話せることはとても大切です。しかし、それだけではバックグラウンドの違う人たちとかかわることはできません。英語と同じくらいよりよい人間関係を築けることが大切なのです。「夏休み!地球市民講座」でお話ししてくださったWFPの中井さんは「現地の人とうまくやること、チームとして取り組むことが大切であり、その時の状況に応じてリーダーシップの取り方を変えている」と話されていました。このことからグローバル人材は英語が話せるだけでなく、思いやりや相手を受け入れるといった人間関係を築くうえでの基礎的な部分が当たり前にできる人材であることが分かりました。身近なところや気づかないうちに接している外国人や外国籍の子、繋がる子に対する理解や思いやり、他の人と区別しない態度を身につけることや日本人同士でもお互いを認め合い、よりよい関係を築くことを身につけることこそがグローバル人材育成の第一歩なのではないかと考えました。
 
 2年生の夏にこのような貴重な経験をさせていただけたことにとても感謝しています。今後、夢に向かって様々なことを学び、経験していく中で、ここでの学びを忘れず、考えを深めていこうと思います。

2017年4月17日月曜日

「今、私のできる国際交流」


フェリス女学院大学 国際交流学部・国際交流学科2年 田中 恵

(2017年2月~3月プログラムに参加)

日本語教室受講者と折り紙を楽しむ

「今、私のできる国際交流」

多文化共生という言葉を初めて知り学び考えました。
 YOKEで事業ヒアリング、「よこはま国際フォーラム」、外国につながる子どもたちの学習支援、災害時語学ボランティア研修、日本語教室、「横浜に暮らす人のための日本語教室」体験研修など数多くの機会をいただきました。
 その中で「やさしい日本語」が今私のできる国際交流の形であると考えました。「やさしい日本語」とは外国人や子ども・高齢者・障がい者に向けた簡単な表現や追加情報など配慮をした言葉です。これから日本は来日する外国人が増えることを望んでいます。そのような時に日本のアイデンティティをなくすことなく、日本語話者にとって学びやすいこの言葉で私たち一人一人が人と分かち合い、寄り添うことができたらどんなにお互いに幸せでしょうか。
 私はこの言葉を自分自身が活用し、そこから今後の国際交流に期待を寄せたいと考えています。

最終報告会での様子

2017年4月6日木曜日

「無知の知」

YOKE岡田理事長と山口さん
國學院大學 人間開発学部初等教育学科2年 山口 航(わたる)
(2017年2月~3月プログラムに参加)


「無知の地」


私は何も知らなかった。横浜に住む外国人の子どもたちの苦労なんて。
彼らを見ていると、どうしても応援してあげたくなるのである。
今回、研修をさせてもらったなかで、最も心に残っているのは国際交流ラウンジでの学習支援である。ラウンジに来るのは主に中国から出稼ぎにきた人たちの子どもであり、我々が望んで海外に留学するのとはわけが違う。希望して日本に来たわけではない子も多いと聞く。日本語もままならないなかで中国人学校ではなく公立中学校に編入し、日本語で授業を受ける。それは、私たちがどこかの少数民族の言葉で授業を受けるようなものなのだろう。
それでも子どもたちは懸命に頑張っている。必死で日本の学習言語を習得し、よい仕事に就くために努力していた。日本人は日本にいれば最低限の日本語は話せるようになり、最低限アルバイトぐらいはできるようになる。しかし、彼らは頑張らないとアルバイトもできないのだ。
私は横浜で小学校の教員を目指している。将来、そんな子どもたちの担任をすることもあるだろう。子どもたちを応援したくなる気持ちを大切に、私も教員を目指して彼らに負けないように努力していきたい。

みなみラウンジでの外国につながる子どもたちの学習支援教室」
で指導にあたる山口さん(写真:左)

2016年9月30日金曜日

自分自身とこれからの社会を見つめた100時間

最終報告会にてYOKE体験談を語る杉山さん

明治学院大学国際学部・国際学科3年 杉山 佳奈
(2016年8月~9月プログラムに参加)

自分自身とこれからの社会を見つめた100時間

 私はイギリスやイスラエルなどでの異文化体験、また紛争研究や海外における多文化共生に関する大学での学びを通して、異なった価値観を持つ人々がともに暮らしていけるまちづくりを考えていました。またアルバイトではインドレストランで働き、インド人の同僚が言語や行政面など、日本での生活に難しさを感じている現状を知り、これからの社会で自分が何をすべきか、横浜での多文化共生へのアプローチを自分のまちに応用できないか、という思いからインターンシップに応募しました。また、社会ってなんだろう?働くとはなんだろう?という純粋な疑問も応募動機の一つでした。

 100時間での研修内容は主に(1) YOKE事業に関するヒアリング、(2) ラウンジ学習支援教室への参加・運営協力、(3)イベントの開催準備・運営協力でした。また、実際のYOKE内での会議にも参加させていただきました。

 (1)YOKE事業ヒアリングでは、大学での学びと関連し、実際に多文化共生や国際協力等の分野で活動されている方々と、学生という立場を超えて実りあるお話ができました。率直な疑問に真摯に答えてくださり、各事業の抱える問題点やこれからの社会のあり方を一緒に考えることができ、達成感や今後のやる気につながりました。 (2) ラウンジ学習支援教室への参加・運営協力では、南区・鶴見区にあるラウンジを訪問し、夏休み学習支援教室やイベントのお手伝いをしました。実際に外国につながる子どもたちや子どもたちを支援するボランティアの方々とお話しできたことで、今まで考えていた外国人支援に対する見方が変わり、視野がさらに広がりました。ただ日本語を教えるという一方的なものではなく、外国につながる方々のニーズや、実際に何に困っているのかを具体的に把握しながらサポートすることの重要性を学びました。またボランティアの方々と子どもたちの交流を見学して、地域がいきいきしていると感じました。(3)イベントの開催準備・運営協力では、「夏休み地球市民講座」や「訪ねよう!横浜国際協力センター」、「国際機関キャリアガイダンス」など、以前は参加者として見てきたイベントを運営側として見つめ、様々な仕事を経験しました。業務を通して、イベントであっても会議であっても、どんな仕事も一人で行われるものではないこと、価値観や考えの異なる人々を理解してともに仕事を完成させていくことの難しさと同時に達成感も学びました。

 今回のインターンシップでの業務を通じて、働くことの楽しさややりがいを具体的に感じることができ、これからの糧と自信になりました。将来は誰かのために一生懸命に働くことのできる人間でありたいと思います。

 最後に、事務局をはじめとするYOKEの皆様、未熟な私でしたが、あたたかく見守っていただき、多くのご指導を賜りました。お忙しい中、お世話になりました。厚く御礼申し上げます。

2016年3月30日水曜日

将来の私を変えた100時間

外国につながる子どもたちの学習支援を体験
@みなみ市民活動・多文化共生ラウンジ
明治学院大学 心理学部・教育発達学科  飯田友希 さん
 (2016年2月~3月プログラムに参加)  

将来の私を変えた100時間

 私は将来、小学校の先生になって、外国につながる子どもたちをはじめとする全ての子どもたちの多様性を尊重できる授業・教室づくりがしたいと考えています。これまでの小学校でのボランティアを通して、多様な子どもたちのニーズに応えるための知識や経験が足りないと感じ、この研修への参加を希望しました。

 今回の研修では『教師になったら取り組みたい、外国につながる子どもたちの学びを支える工夫を考える』をテーマに設定しました。

 具体的な研修内容は、1.YOKE事業のヒアリング、2.現場活動への訪問・参加(1)外国につながる子どもたちの学習支援の体験(みなみラウンジ、なかラウンジ)、(2)3つの日本語教室(YOKE日本語教室、実習型研修、ボランティア育成講座)への参加・運営補助・議事録作成、(3)よこはま国際フォーラム、EPA交流事業の運営補助でした。

1.「YOKE事業のヒアリング」では、教室で実践できる支援を考えるために、「やさしい日本語」と「学習言語と生活言語」の2点について重点的にヒアリングをしました。やさしい日本語については、平易な言葉の言い換えだけでなく、文章構造を大きく見直したり、必要な情報を追加したりするなど、読み手にとって本当に“やさしい”のかを吟味しながら情報を発信することの大切さを学びました。学習言語と生活言語については、日常生活に必要な言語と、教科学習に必要な言語のちがいを知ったうえで子どものつまずきと向き合うことが大切であることを知りました。これらのヒアリングから、やさしく伝えることに配慮しつつも、母語で学べる教材を用いたり、教える方法を変えたりすることで子どもが分かる場合があることを学ぶことができました。

2.「現場活動への訪問・参加」では、みなみラウンジ、なかラウンジでの学習支援を体験しました。言語での意思疎通ができなくても、ジェスチャーや表情などの非言語コミュニケーションで心を通わせることができることを、身をもって実感しました。子どもたちの学びを支えるために言語活動は必要不可欠ですが、言語を介さないコミュニケーションは、伝えようとする意思が強ければ強いほど子どもたちの心に響き、子ども自ら学ぼうとする意欲をのばすことができるのだと感じました。

 今回、自身で設定した『教師になったら取り組みたい、外国につながる子どもたちの学びを支える工夫を考える』というテーマについては、以上の研修内容によって考えを深めることができました。また、研修の中で学校現場で実践することの難しさについても知りました。 外国につながる子どもたちのつまずきについて、ヒアリングや子どもたちとの関わりを通して考えを深められた経験は、それまでの私の狭い視野を大きく広げてくれました。将来の自分の教員生活に必ず生きると確信しています。残りの学生生活の中で、より実践的な「学びを支える工夫」を考えていきたいです。

 最後に、私たち研修生を献身的にサポートしてくださった村井さんには、自身では気が付かなかった改善すべき点やわたしらしさとして大切にすべき点をご指導いただきました。今後も意識し、学生生活や、社会生活のなかでより一層磨きをかけていきます。YOKEの皆さまをはじめとした研修中お世話になった皆さま、貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。

横浜の内なる国際化について学んだ100時間

外国につながる子どもたちの学習支援を体験
@みなみ市民活動・多文化共生ラウンジ


フェリス女学院大学 文学部英語英米文学科 大川 紫苑 さん
 (2016年2月~3月プログラムに参加)   

横浜の内なる国際化について学んだ100時間

 私は今までの留学や埼玉親善大使としての活動経験から多文化交流の素晴らしさ、楽しさを学び、国際関係に関心を持つようになりました。将来、日本と海外を繋ぐ、日本の国際化を支える職に就きたいという新たな目標ができました。私のこれまでの国際化のイメージには、日本から世界に何かを発信していくというものが強くありました。しかし、日本国内での国際化という言葉を知り、自分の目標実現にとって、まずは自分の住んでいる国の国際化の現状を学ぶことが大切だと考えました。このことから、在日外国人と日本人との共生に向けて様々な取り組みを行っているYOKEでのインターンシッププログラムに応募しました。

 100時間のプログラム内容は主に3つあり、YOKE事業ヒアリング、現場活動への参加、YOKE事業等の運営補助でした。その中で私は、YOKEが運営している国際交流ラウンジを実際に訪れ、外国につながる子どもたちと交流できたことが強く印象に残っています。なぜなら、現場職員の方々にお話を伺い、外国にルーツを持つ中学生との勉強や会話を通して、日本語が難しく、学校の授業についていくのが大変な生徒たちの苦労や努力を直接知ることができたからです。また、そのような生徒たちを全力でサポートしている職員やサポーターの方々の熱心さ、素晴らしさを感じました。そして私は、このような日本国内の国際化事情やそれに対する取組をもっと多くの人に知ってもらうことが大切だと気づきました。困っている人がいること、また、在日外国人や外国にルーツを持つ子どもたちの未来の大きな可能性などをまず知ることが、理解と協力、心地よい多文化共生につながると考えます。これは、この研修に参加するまでは国内や横浜の国際化事情をよく知らなかった自分だからこその気づきだと思います。

 今回の研修で得た貴重な気づきや学びをこれからの自分の人生にうまく活かしていきたいです。今後ますます国際化する横浜や日本、そして世界の一員としての理解、自分にできることを考える良い機会となりました。このプログラムの一経験者として、YOKEでのすばらしい経験や取組、そして学生や一般の方、誰もが国際協力に貢献できるということを他の人に広めていけたらと思います。あなたもYOKEで価値のある経験をしませんか?

 最後になりますが、YOKEの皆様をはじめ、お世話になった方々に感謝を申し上げます。本当にありがとうございました